(仮)。

脳みその中のうずまきを整えたい。

棘が刺さって抜けないの。

三月が終わる。三月が終わる。

三月末に締め切りを向かえるものに取り組んできて、もう本当にずっとひたすらただそれだけをやりつづけてきて、ようやく一息入れたところ。

もしかしたら私は、何者かになれていたのかもしれないという期待もあった三月だったけれど、結果は見事にだめで。おしいけどだめというところでの落胆もありつつもうすぐ四月。

四月になったら――。

というのがここのところの私の慰めであったのだけれど、実際やりきって手放してみると、いったいこれから私は日々どうやって生きていけばいいのかという漠然とした不安のような、放り出されたような、置き去りにされたような、不安定。

何者かになりたいなあ。今すぐ、何者かになりたい。

なりたかったな……。

はやくスタート地点に立ちたい。

日がでてきたな。爪でも切ろう。

喜びと悲しみ。

ここは何もない平坦な地。

ざっくざっくと足音がした。

ざっくざっくざっく……。

喜びだと思った。実際、喜びだった。

私は喜びを歓迎し、受け入れ態勢を取った。

でも喜びは私に目を向けることもなく通り過ぎた。

足音はやまない。

ざっくざっくざっく……。

見ると遠くから悲しみがやってくる。

私は気づかれないように身を隠す。いや、ここは平坦な地。隠れる場所なんかどこにもない。

私はまごまごし、右に行き左に行き、そして先に進もうとして壁にぶつかる。

こんなところに壁があるなんて。

ふと気がつくと、悲しみがすぐそばに立って笑っている。

何故君が立ち止まる?

私は訊いた。

まてまてその前に何故君は僕から逃げようとした?

彼は訊きかえす。

誰も君なんか好きじゃないよと私は言う。

あらがうからだよと彼が言う。

とてもほがらかな声だった。悲しみに似つかわしくない声だった。

悲しみに似つかわしくないってなんだろう。

悲しみと喜びの顔はとても似ていた。

 

帰。

帰れ!と言われた。

 

というフレーズが頭に浮かぶことがある。

 

帰りたい……。

 

家にいながら思うことがある。

 

私はどこに帰りたく、どこに帰れと言われているのだろうか。